「見られている感覚」 ー 山崎侑斗さんインタビュー

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「コワーキングスペース」という環境が人・地域にどんな変化をもたらしていくのか。
シリーズの5回目となる今回は、東北公益文科大学で観光や情報発信を学ぶ山崎侑斗さんにお話を伺いました。公益大生としての生活で、何を感じ、どんなアクションを続けているのか。大学1年生(2016年4月から2年生)のエネルギーと貪欲さを感じるインタビューです。

山崎侑斗さんインタビュー

秋田から東北公益文科大学へ進学

秋田県能代市から、進学を機に酒田に移り住みました。東北公益文科大学を選んだ理由は、東北のなかで「地域の課題」を学べ、「観光」のコースもある」大学を探していた際に、高校の進路の先生が勧めてくれたからです。実際に入学してみて、公益大は地域に開かれた大学だけあって、フィールドワークが多いなと思いました。それに、学内のいろんな先生が「山崎くん頑張ってるね!」と応援してくれます。

私は、もともとは地域活動に全く興味がありませんでした。高校生の頃、生徒会副会長をやっていたのですが「生徒会役員=地域活動をしなくてはならない」暗黙のルールのようなものがありました。外国人などに観光ガイドをしていた。でも、やっているうちに楽しくなっちゃった。その体験が原点で現在、自分の活動の軸となっています。

いまは「国内旅行業務取扱管理者」になるための資格勉強をしています。これを取得できれば、旅行代理店に就職しやすくなったり、旅行代理店を自分で経営できたりします。試験は9月にありますが、JRの運賃や旅行業法の内容を暗記しなければならないので、大変です。早くから取り組んでおきたいと思っています。

酒田おもてなし隊

大学では、酒田で観光活動を行う「酒田おもてなし隊」に所属しています。酒田おもてなし隊の活動を通して、地域に足りないなと思ったのは、情報発信とプロモーションです。相手にどう伝えるのか。中身やコンセプトによって人を惹きつけるような、おもしろい情報が足りないと思います。また、「地域の魅力が何もない」と言っている人を見かけることがありますが、寂しいです。自分たちの地域に住んでいるのに、なぜその地域を知らないのか。ただ「暮らせればいい」という感覚なのかもしれませんが、「ここには何もないです」って言ったら、外から誰も来なくなってしまいます。

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酒田駅で列車から降り立つ観光客へおもてなしする「酒田おもてなし隊」の活動。

庄内の熱い人と出会えるUNDERBAR

最初にUNDERBARの扉を開ける前は、不安しかありませんでした。でも熊澤さんに誘われて入ってみたら、びっくり。4K画面があって「すげーっ!」て声に出してました(笑)窓から見えた鳥海山もすごく綺麗。
UNDERBARは作業しやすい環境です。家だと孤立してる感じがあるので、全然勉強できません。静かで落ち着いた雰囲気ですし、誰かがいると、見られてる感覚があって、やる気や集中力が出てきます
大学生になり、UNDERBARへ来るようになって、社会人と触れ合う機会が一気に増えました。Facebook友達も比例して増えてます。庄内での生活、UNDERBARでの生活は、個人事業をされている方や移住して頑張っている方と触れ合う機会が多く、応援してくれる方もたくさんいてエキサイティングです。

UNDERBARでの山崎さんの変化

知り合った人 31人
名刺の数 27枚
仲良くなった人 16人
相談した人 7人
プロジェクトを組んだ人 1人
プロジェクト数 3つ
参加したイベント数 9回
企画したイベント数 2回
FB投稿数 5本
読んだ本の冊数 8冊
失敗したこと 2つ

ゲストハウス経営を目指す

現在、アンダーバーで知り合った佐々木さんと一緒に、ゲストハウスの経営を目標に動いています。いまは、イメージやコンセプトなどの戦略を企画し、事業計画書を書く前の初歩段階です。これから空き家を探して、借りるとしたら何が必要かを考えていく予定です。
親からは「公務員になれ」と言われています。しかし自分で好きなことやりたいと思って、起業の道を目指しています。何もないゼロから事を起こしてみたい、アイディアを作る過程から体験して、起業することの大変さを味わってみたいです。

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起業家を目指す仲間と、UNDERBARでゲストハウスを構想。

広報団体「ペリカン企画」

公益大の学生と作った模擬会社「ペリカン企画」で、学生の地域活動を取材して動画を制作し、youtubeで発信する活動をしています。庄内初のコワーキングスペースで、さらに産学官連携コワーキングというのは珍しい事例だったのでアンダーバーも取材しました。制作時間は、1本目(アンダーバーのプレオープン時の動画)が1ヶ月、2本目(アンダーバーイベントレポート)は3週間かかりました。何本も撮影したのですが、編集する時間がなくて、いままでの制作は4本。撮り溜めているものはありますが、編集しきれていません。
高校の頃から、撮ること自体が趣味です。撮影した瞬間に、その場で編集を考えながらニヤニヤしてしまいます。でも編集のときは、自分の理想通りにいかないことも多く、良い物を作る難しさを感じます。今後制作したいのは、酒田市を「ブラタモリ」的に散歩するようなプロモーションビデオです。

イベント「Be a Challenger」

アンダーバーで「Be a Challenger」という、仲間の目標を応援するイベントを定期的に開催しています。このイベントをやろうと思ったきっかけは2つ。
1つは去年、他大学の英語の授業で、スティーブジョブズのスピーチを聞いたときです。心に残っているのが「死」の話。人生で何もしないで死ぬより、自分のやりたいことをやってからのほうが幸せになれる、という内容でした。これを見て、自分を含めもっと多くの人が自分のやりたい事を見つけ実現できるようになって欲しいと思ったことがきっかけです。
2つ目は、他大学生との交流合宿の時です。公益大生のなかで参加したのは、3人だけでした。もっと公益大で、アグレッシブな学生や、学生発のプロジェクトを多くしていきたいと思ったことがきっかけです。
「Be a Challenger」を開催してみて、皆さんやりたいことや夢の規模が大きいなと思いました。大学3年生の方が、国際的に開催されている貧困イベントをやりたいと言っていたり、クリエイターになりたい1年生もいたりしました。
これからは、宣言したことをやるしかないですね。目標カードをアンダーバーの壁に貼ったことで、カードを見てくれた方とタッグを組むこともできます。それが夢が叶う近道になるかもしれません。

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UNDERBARに訪れた人や会員とともに、目標カードを壁に貼って夢を応援し合う。

いまの悩みは「どうやったら人を巻き込めるか」。私は「酒田おもてなし隊」の活動を、「楽しい」という満足感で続けていますが、端からは「地域に貢献していて意識が高そう」という目で見られることがあります。そのように一歩引いた所から見ている人達にも「一緒にプロジェクトに参加したら楽しそうだな」と思ってもらえるような環境を作っていきたいです。

コワーキングスペースを学生にもっと活用してもらいたい

UNDERBARは「意識高い系」の人達ばかりが来る所と思っている人もいるようですが「そんなことない、楽しいし大丈夫だよ」って教えたいです。食系のイベントを、学生料金で楽しくやってみたいですね。地元特産のおかずを持ち寄って、ご飯のお供を選ぶイベントとか楽しそうじゃないですか?
地域活性化の視点から考えると、人口減少や産業の衰退などが起こっていますが、それは個人で解決できる問題ではありません。社会全体で考えなければ、街の未来はありません。そこで期待されるのが、産学官の連携・大学によるまちづくりです。若い力と行動力で大学を有効活用していくべきだと思います。コワーキングスペースも、もっと大学生が利用していってほしいです。
「世界を変える前に、地域を変えよう。地域を変える前に、自分を変えよう。」という言葉を聞いたことがあります。自分を変えていくと共に多くの人を巻き込んで、どんどん楽しい仕掛けを作っていきたいです。

インタビューを終えて

ただ頭の中で考えるだけでなく、イベントを立てたり動画を制作して発信したりと、自分なりの解決策を行動に移している山崎くん。熱いエネルギーを感じました。彼の姿勢が刺激となり、アクションを起こしたくなる気持ちが伝播していくことでしょう。今後も、山崎くんのチャレンジを応援します!

■writer's profile

Maiko Kumazawa

Maiko Kumazawa

熊澤 舞子

東北公益文科大学公益学部地域共創コース卒業。StartupWeekendYamagata第1回でチームリーダーとなり審査員特別賞受賞。在学中にアイディアを実現化し、空き家を活用したシェアハウスを設立、実際に住みながら運営を行った経験がある。現在、同大学庄内オフィス職員としてUNDERBAR立ち上げに従事しながら、地方の人や情報の拠点づくりを目指す。 Facebook

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