【リトリート体験記】人生とコワーキングで重要な「2種類の対話」とは?

retreat1

こんにちは、UNDERBAR中村です。先日、神奈川県の北鎌倉でリトリートを森で行う会に参加する機会に恵まれました。「リトリートって何だ?瞑想みたいなものなのかな?」私自身その程度の認識で参加したのですが、1日の体験を通して「2種類の対話」の重要性を実感しました。それでは「2種類の対話」とは何なのか、リトリートの体験と共にご一読いただけましたら幸いです。

北鎌倉にて

森でリトリートする機会を作ってくれた「ミライエ」

玄関を開ける。まるで仲間同士の秘密基地のような不思議な安心感のある家。ここは神奈川県北鎌倉駅から徒歩3分、「ミライエ」と呼ばれる古民家だ。以前UNDERBARにてセミナーを開催していただいた「WORKLE」の町塚俊介さんを覚えておいでだろうか?「ミライエ」は町塚さんらが運営している「WORKLE」の一拠点。WORKLE会員が「第2の家」のように使える瀟洒なつくりの古民家だ。WORKLEメンバーはここで自分を見つめ直したり、チームの対話の時間を持ったりする。


retreat2

http://goinggoinggoing-an.wixsite.com/workle

retreat5

retreat4
茶室も備えてある瀟洒なつくり。WORKLEの町塚さん。

retreat3
今は手に入らない屋久島の杉が天井に使ってあるという

リトリートとは

リトリート(Retreat)とは英語で「一人で静かになれる場所」や「退却」「後退」といった意味がある。私も今回はじめて出会った言葉だが、ここでいう「リトリート」は、日常の空間・時間から離れて自分を見つめる時間を持つ行為や、”mindfulness”の状態を体験したりする行為を指すようだ。リトリートが目指すものは瞑想をすることで追求するものと似ているかもしれない。リトリートの手法は、ヨガを取り入れたもの、今回のように森で一人の時間を過ごすものなど様々あるようで、自分に合ったものを探してみるのも面白そうだ。

リトリート開始、いざ森へ

ミライエに当日の参加者が集まってきたところで、リトリート開始。参加者は「WORKLE」運営者の3人と「WORKLE」会員の2人、ゲスト参加の私中村、計6人だ。ちなみに今回のリトリートはWORKLEが公式に提供するイベントではなく、あくまで仲間内で試しにやってみようという「なんちゃって森のリトリートなのでご容赦を」とは町塚さん。まずはミライエにてミーティング。リトリートについての説明や、参加者同士の自己紹介の時間を1時間ほど持った後、森へ出発した。

鎌倉はトレイルの宝庫。町場から少し登れば気持ちのよいトレイルに簡単にアクセスできる。目的のポイントにつくと、町塚さんから視覚・嗅覚・触覚といった五感の使い方や心持ちなどのレクチャーが一通りあった。心と体の準備ができたところで、1時間半後に集合時間を決め、各々気の向くまま歩きだす。私も、トレイルから外れた誰にも見つからない森の中に落ち着く場所を定め、瞑想のようなことをして時間を過ごした。

retreat6

木々が風に揺れ、木漏れ日がきらめく。
事前の対話で聞いたメンバーの言葉や様々な思考が頭の中を過ぎていく。
庄内の即身仏になった修行僧も木喰修業中、こんな時間を過ごしたのだろうか。(もちろん私など足元にも及ばないことは分かっているが・・・)

1時間半後、各々集合場所へ。

共有の時間

集合場所に戻り、6人それぞれの体験を共有した。
森で何をしていたか。どんなものに出会ったか。どんな考えが頭をよぎっていったのか。「朽ちるってどういうことなんだろう?」「日々なぜか焦って生きてしまう。」それぞれ異なる日常の日々を送っている6人の体験と心の中がここ鎌倉の森で交差していった。

お昼を食べ終え、リトリートを終了。我々はミライエへと帰途についた。

2種類の対話とは

さて、今回のリトリートを通して、冒頭に言及したように私は「2種類の対話」の重要性を認識することができた。

1)自分との対話

1つ目は「自分との対話」だ。ここ最近の私は日々のことに追われ、頭の中がちらかり放題だった。そんな時にちょうどリトリートの機会に恵まれ、ゆっくり自分と対話する時間を持てたことは幸運だった。それまで感じていた漠然とした不安や焦りの感情から解放され、すっきりと風通しの良い心持ちになることができたのだ。「森」という場所も一人の時間を持つ上で効果的だったように感じる。「自分との対話」の重要性は、私の言葉よりも、実際に森に入って生活を送ったヘンリー・デイヴィッド・ソローの古典「ウォールデン 森の生活」からの言葉がより説得力があるだろう。

“Direct your eye right inward, and you’ll find a thousand regions in your mind yet undiscovered. Travel them, and be expert in home-cosmography” -Henry David Thoreau

“あなたの内なる方へ目を向けてみよう。まだ知らない幾千ものあなたが見えてくることだろう。それらを旅しよう、そして内なる宇宙の冒険者となるのだ。- ヘンリー・デイヴィッド・ソロー”

2)他人との対話

2つ目は「他人との対話」だ。今回のリトリートでは「森に入る前」「森に入った後」「ミライエに帰った後」の合計3回、6人全員で対話の時間を持ったのだが、これがリトリートの効果を高めるために2つの意味で重要だったように思う。

1つは「安心感」だ。メンバーとしっかり対話できたことでお互いに信頼が生まれ、安心した心持ちでリトリートの時間を過ごすことができた。リラックスできることは「自分との対話」の質を高めることにも繋がったと思う。

もう一つは「気づき」だ。自分が感じたこと、疑問に思ったことを口にし、それに対してメンバーが共感してくれたり、より深めてくれたりする。「そういう捉え方もできるんだ!」「他の人も自分と同じようなことを感じているんだな」など、一人ではなし得ない「気づき」を得ることができた。これがあったことでリトリートの満足感が高まった訳だが、それはリトリートに限らず、人生全般、更にはコワーキングにおいてもいえるのではないだろうか。

北鎌倉で得た学び

retreat7

今回、北鎌倉へ行ったのは実はリトリートが目的だった訳ではない。コワーキングの要素を取り入れたWORKLEという「場」がどんなものなのか、それをこの目で見て感じることが目的だった。しかし、たまたまリトリートに参加させていただいたことで、結果的にWORKLEの大事な部分を感じ取ることができた気がする。それは組織にとらわれない本当の対話だ

WORKLEが対話を本当に大切にしているなと感じた一つの情景がある。リトリート中、6人全員で対話をする場面だ。順番に話す訳ではなく、進行役が誰かを指す訳でもない。話す心の準備ができた者から、ぽつりぽつりと手を上げて話すのだ。沈黙も大切にする。このやり方は無理やり話すことがないので、各々の納得感と、お互いへの静かな信頼が生まれる感じがした。

WORKLEを運営しているのは大学を出てほどない若いメンバーだ。彼らが多くの協力や助言を得ながら体当たりで切り盛りしている。それでもたくさんの共感を呼んでいるのは、サードプレイスでの良質な対話が私達に大きな力をもたらしてくれるからだろう。(サードプレイスについては過去にアップしたこちらの記事を参照されたい。)ミライエは、そんな対話を真摯に引き出してくれる、新時代の宿坊のような場所だった。

UNDERBARは「チャレンジャーを応援する場」であることを最も大事にしています。そしてWORKLEからも同じことを感じました。WORKLEで感じた「2種類の対話」のカルチャーがUNDERBARでも根付いた時、更にエキサイティングなコワーキングスペースへと進化できるのではないか、そんなことを感じた今回の北鎌倉への旅でした。

■writer's profile

Yuki Nakamura

Yuki Nakamura

中村 雄季

埼玉県出身。大学を卒業後都内大手デジタルマーケティングエージェンシーでWEBディレクターとして勤務。2013年、自然に寄り添ったライフスタイル・社会経済の構築を実践するため山形県庄内地方へ移住。現在農家として遊佐町で70aの砂丘畑の耕作、及びFUN MORE DESIGNとしてWEBサイト構築・編集・ライティング等に従事。  http://funmoredesign.com  Instagram

関連記事

メイドイン庄内で世界の映画祭をとる!!プロジェクト