発達障害当事者イベントから見えた、「リアルの場」としてのコワーキングの意義

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こんにちは、アンダーバープロモーターの中村です。
4/28は、ADHD(注意欠如多動性障害)であると医師の診断を受けた現役の東北公益文科大学学生によるイベント「発達障がいを知ろう!ADHD当事者の経験から学ぶこと」がアンダーバーで開催されました。アンダーバーで開催する他のイベントよりも開催前から比較的反響が大きく、また当日30名以上の方に参加いただきました。イベントを通し、「リアルの場」の重要性とそのような場を提供できる「コワーキングスペース」という枠組みの可能性を大きく感じましたのでレポートいたします。

イベントの目的

イベントのオープニングでもお伝えいたしましたが、本イベントの目的は、発達障害に関する「正しい知識・情報」を提供することではありませんでした。本レポートも同様です。イベントの目的はADHDと診断を受けた当事者自身が経験を直接語り参加者と対話をしていくことで、発達障害についての関心を高め、考えていくきっかけ作りと設定しました。何故なら当日の進行役を務め本レポートを書いている私自身、それまで発達障害についての知識はゼロ。イベントの当日に向けて本を数冊読み、インターネットで情報を検索した程度の素人です。更にイベント企画者である本人(以後「K」と呼びます)もADHDとの診断を医師より受け、自身の障害について本人なりに知識を収集していますが、専門家ではありません。よってイベント・本レポートでお伝えしていることは正しくないことが含まれる、または配慮に欠いたものが含まれる可能性があり、我々もそのリスクは承知していました。公益大からもそういったリスクがあるため開催の有無の判断とイベントの内容について慎重に検討するよう伝えられておりました。それでも何より、K本人の意志を実現したいということ、そして「関心を高め、考えていくきっかけ作り」の重要性を感じていたことから開催に至りました。

イベント当日の流れ

(1)
まず冒頭以下の2点をお伝えしました。

  • 前述のように本イベントは発達障害に関する「正しい知識・情報」を提供することではないこと
  • 本イベントの内容を持ち帰りご家庭や職場、友人の間で議論をしたり、インターネット上で感想を述べたりすることは是非お願いしたいが、Kの写真や名前をインターネット上にアップすることはしないで欲しいこと

(2)
我々自身の簡単な自己紹介を行い、参加者の方に任意で発達障害についての予備知識やイベントに参加した目的などを伺いました。

(3)
ADHD当事者であるイベント企画者Kと進行役である私がQ&Aをしていく形で、Kの体験談や考えをプレゼンテーションしました。
(私自身はKの勇気と前向きなアクションに大変感銘を受けましたが、発達障害の症状や当事者が置かれている状況は人それぞれに異なっており、ここで語られた内容は多くの考え方がある中で、あくまでKによる1つの考え方・体験談に過ぎないことはご留意ください。)
診断を受けた経緯や診断を受けた時の気持ち、自覚症状やエピソード、してもらえたら助かること・嫌なことなど語っていただきました。高額の薬を服用しているが、医療費の自己負担額を軽減できる自立支援医療制度の案内がなかったためにその存在を知らず、制度を利用した時と比べ3倍の負担額を支払っていたことなども話していただきました。

(4)
参加者との意見交換を行いました。

一つの成果・奇跡

イベントを終え、バーチャルではない「リアルの場」の重要性と手応えを大きく感じました。イベントではこんな事が起きました。
K本人はそれまで、自分の状況をより客観的に把握するため他のADHD当事者と直接話をしてみたいと考えていましたが、そのような方と知り合うことはできず、また庄内で発達障害の「当事者会」を探したが見つけることはできていませんでした。ところが当日イベント参加者のお一人が庄内で「当事者会」を主催しており、メンバー数名と一緒に話を聞きに来てくれていたのです。その当事者会は、現在のところ知り合い同士の繋がりで運営しておりインターネットなどには情報を公開していないとのこと。Kはその後、彼らと情報交換をすることができました。
イベントを企画するという前向きな行動が起こしたKの一つの成果・奇跡だったように思います。

現代ではたくさんの情報をインターネットや本、メディアを通して知ることができます。しかし人間はその場の空気感、相手の目、一瞬の「間」や息遣いなどから肌でたくさんの情報を受け取っています。昨日イベント後に起こった拍手の音色、握手の感触は、いまだ現代の先端技術をもってしても「リアルの場」以外では実現できないものです。後から編集やカットが効かない生の情報を得られる場であり、メディアや「権威」を通さず参加者全員が作り上げる「場」だからこそ、情報を咀嚼できたり「感覚」でモノゴトを掴めたりできるということがあるのではないでしょうか。そしてカフェのようにカジュアル過ぎず、職場や学校のように硬すぎない「コワーキングスペース」という場に一つの可能性を感じることができました。

イベント参加者数名からも、「アンダーバーに初めて来たが、こういった場所をずっと求めていた」「こうしたイベントを継続して開いてほしい」といった声をいただきました。リラックスでき、かつポジティブになれるハード面での空間づくりだけでなく、これまでアンダーバーの運営に関わってきた人々や利用者が努めてきた「自由な空気づくり」「リスクを恐れずチャレンジできる環境づくり」という目に見えづらい部分の成果が少しだけ垣間見えた時間となりました。

2016年ゴールデンウィーク中も前半(4/29(金),4/30(土),5/1(日),5/2(月))はオープンしております。
アンダーバーはまだまだたくさんの課題を抱えていますが、UNDERBAR最重要の使命「人財が機会と巡り合うことを活性化すること」の実現に向け、たくさんの方のご利用をお待ちしております。

■writer's profile

Yuki Nakamura

Yuki Nakamura

中村 雄季

埼玉県出身。大学を卒業後都内大手デジタルマーケティングエージェンシーでWEBディレクターとして勤務。2013年、自然に寄り添ったライフスタイル・社会経済の構築を実践するため山形県庄内地方へ移住。現在農家として遊佐町で70aの砂丘畑の耕作、及びFUN MORE DESIGNとしてWEBサイト構築・編集・ライティング等に従事。  http://funmoredesign.com  Instagram

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