コミュ力と素敵なお友達を求めて ー 池田香さんの変化

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「コワーキングスペース」という環境が人・地域にどんな変化をもたらしていくのか。
シリーズの3回目となる今回は、酒田市内で理容店を営む池田香さんにインタビューしました。池田さんは、酒田出身・酒田在住60年。どういった経緯で、アンダーバーと繋がったのでしょうか。

池田香さんインタビュー

パタンナーから床屋経営者へ

10年前までは、会社勤めをしていました。1着10数万〜30万のスーツを作るパタンナーの仕事です。会社の展示会の時には、メーカーから送られてきたイタリアブランドの服の写真だけを見て「うちの工場ではどう作ったら良いか」を1から考えて作っていたので、けっこうクリエイティブな仕事でした。しかし、ある時少量生産式だった会社の方針が変わって、1つのパターンから200着のスーツを作っていくようになりました。そういった安売りは、つまらない。違う方向に来てるなと思ったタイミングで、母が経営していた床屋を継ぎました。

サラリーマンという立場から、従業員と共に店を運営していく経営者という立場になりましたが、当時は、世の中のことも経営のことも全然わかりません。そこで専門学校に入り国家試験を取得。その後、地域で開かれる経営セミナーに顔を出す用になりました。セミナーの会場だった職員の方から「TEDを見るイベントがあるから来てみないか」と誘われたのがUNDERBARに来たきっかけです。

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池田さんの経営する理容店。地域に選ばれる店づくりを目指す。

地元の経済循環を意識

人口減少でお客さんが少なくなっていくなか、従業員には世の中の先行きや、お店の戦略を教えて納得してもらいたい。そのために、ここで勉強させてもらっています。やっぱり現場の人が元気で働いて、モチベーションを保ってもらわないといけません。今の若い方はトップダウンで伝えても分かってくれませんから、社会保障制度やマイナンバー制度など、みなさんと相談しながら会社のシステムをつくるように心がけています。

自分は、死ぬまで楽しく生きたいです。お金を蓄えたがる人はいますが、私の場合あと何年生きれるか分かりませんし、貯める時間はないですから。自分の範囲内で、街にお金を落として、豊かな生活をしたいです。コンビニ弁当だけを食べて死にたくない。地元の飲食店で美味しい食事をするよう心がけています。豊かな生活には、おいしい食事を食べられる、良いお友達が必要。そのためには、自分の意見をいえるプレゼン能力を練習しないといけません。UNDERBARにはコミュニケーション能力の向上と素敵な友達を求めています。

UNDERBARにおける池田さんのデータ(2016年3月時点)

利用頻度 計25回
知り合いの会員の数 28名/会員65名
名刺の数 10枚(すぐ名刺交換しないようにしています)
仲良くなった人 5人
相談した人 2人
プロジェクトを組んだ人 1人
参加したイベント数 8回
企画したイベント数 0回
FB投稿数 0回
読んだ本の数 6冊
失敗した回数 2回

環境をお金で買う認識

UNDERBARは、次の予定への時間調整で使わせてもらっています。ここだと、なかなか見かけないような、レアなビジネス本がさらって置いてあるのが面白いです。また、東京にある有名企業の内情をちらっと聞けたり、現代のセキュリティにまつわるトレンドなども聞けたりします。普段そんなことお話する友達はいないもんですから。「毒キノコ食べたい!」なんて人も、皆無ですし(笑)でもここだったら、「どんな種類なの?」「毒キノコ食べるにはどうしたらいいの?」って返したりして、どんな話題でもウェルカムな雰囲気。否定がなくどんどん話が広がっていくので、おもしろいですよね。

あと、田舎の人は「環境をお金で買うこと」の認識が不足しているかな。高級旅館だって、お庭から料理の器まで、雰囲気も含めたお値段です。それと同じで、同年代以外の人とお話できる環境はここだけですから、入会した当時はお金出しても入りたいくらい貴重な環境だと思いました。それに、皆さん熱い!起業したい方や国家試験受ける方から、パワーがビンビン伝わってきて、元気になります。私の同世代は、年金だの病気だの、ネガティブな話が多いし、新聞でもテレビでも、暗い話題しかありません。でもここに来て「夢や明るい話題をお金で買える」っていうのは貴重です。田舎にいても、PCを開かなくても、時代のトレンドやワールドワイドな話が聞けます

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交流会で、会員さんとお話する池田さん。UNDERBARは元気やパワーを交換する場所。

今年の目標は、「一歩踏み出す」です。スキルを身に付けるだけじゃなく、知らない世界や怖いなと思ったことにも、自分から一歩ふみだだしてみようと思います。ちょっとずつ生活に変化をつけると、毎日が新しくポジティブに生きられますよ!若い皆さんは夢や目標がありますが、世の中のことを知ってるジジイは何もしなかったら、ただ死ぬだけ。でも死ぬまでが人生です。去年は皆さんからパワーをもらったので、今年は年賀状に書いて宣言しました。一度も使ってなかった母の茶道道具を使って、自らお点前を覚えて、お抹茶でも飲もうかな。人生が豊かになればと思います。

UNDERBARにもっと「自由度」を

UNDERBARは最近は賑やかになってきたけど、もっと知名度が上がって、もっと人が増えるといいなと思います。それに、せっかく「自由」がコンセプトの空間だから、産学官絡みの制約が出てくるんじゃないかと危惧しています。UNDERBARから起業して、世界に通用するような大きな会社が生まれるかもしれないから、もっと自由に動けるスペースだといいですね。平尾先生が「世界を動かす前に、まずは庄内から変えていく人材を育てたい」とおっしゃってたのは、その通りだと思います。

UNDERBARはいろんな業種の方からいろんなお話を聞けるので、考え方に柔軟性が生まれます。『クリエイティブマインドセット(トム・ケリー&デイヴィッド・ケリー著)』にも書いてありましたが、「自分で勝手に枠をつくるから、クリエイティブな発想にならない」んですよね。枠を考える前に、もっと広くアンテナを張って情報を得てから、自分の方向性を見つけたほうがいいです。起業したい人は、資金や店舗のことをあれこれ考えるより、まず共感する友達をつくっていけば、自然とアドバイスがもらえて、勝手に道が広がっていきますよ。

空気で学ぶ空間

日本はレールに敷かれたこと・先生から教わったことでないと行動できないけど、ここは自由です。自分から動かなきゃ、誰も見向きもしません。自分から発見していく場所としては最高だと思います。教えられるんじゃなくて、空気で学ぶ空間。「おもしろいジジイが面白いこと話していた」とか、知らない間に見聞の広がる良い環境です。身体で覚えたことは、きっと忘れませんね。

期待したいこととすれば、できれば仮眠スペースがあってもいいかな。皆さんお疲れの様子ですから。簡易テントを置いて、最高15分まで仮眠できるところ。もしつくったら皆がドッと来て、きっと予約制になりますよ。県内でここが1番環境がいいと思う。なにより縛りのない、ゆるーい空気感があるので、来やすいですよね。必ず何かしないといけないっていうのがない。もうとにかく、凄くいい!!

インタビューを終えて

UNDERBARを大絶賛してくださった池田さん。「環境や明るい話題にお金を払う」というポリシーを通して、お店や街といった空間づくりを大事にする池田さんの、経営者視点が垣間見えました。多様な人の出会いが、お店づくりや人間関係に活きれば幸いです。

■writer's profile

Maiko Kumazawa

Maiko Kumazawa

熊澤 舞子

東北公益文科大学公益学部地域共創コース卒業。StartupWeekendYamagata第1回でチームリーダーとなり審査員特別賞受賞。在学中にアイディアを実現化し、空き家を活用したシェアハウスを設立、実際に住みながら運営を行った経験がある。現在、同大学庄内オフィス職員としてUNDERBAR立ち上げに従事しながら、地方の人や情報の拠点づくりを目指す。 Facebook

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