【レポート前編】未来のあり方を考える!日本の高齢化と地域コミュニティ

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昨年末、秋田大学教育文化学部 石沢真貴 教授をUNDERBARに招き、「変わりつつある地域の住民参加のスタイルと、地域コミュニティの可能性について ~ ローカル・イノベーション・セミナー Vol.8~」というイベントを開催しました。たくさんの方が参加くださり、セミナー後も活発に意見交換がなされるなど、このテーマに対する人々の関心の高さを感じました。今回、そのセミナー内容を2回シリーズでレポートいたします。

秋田大学教育文化学部 石沢真貴 教授

今回お話いただいた秋田大学教育文化学部 石沢真貴教授は社会学が専門。少子高齢化・グローバル化がもたらす地域コミュニティへの影響を研究テーマとしているそうだ。『あきた型「元気ムラ」再生総合推進事業』という、秋田県と県内市町村が共同で進める住民参加型の集落活性化活動に、発足当初から関わってきたそうだ。

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早いスピードで進む日本の高齢化

日本の少子高齢化は周知の事実。65歳以上の高齢者が総人口に占める割合(高齢化率)は2015年10月1日現在、26.7%で世界で最も高齢化率の高い国だ(平成28年版高齢社会白書 内閣府)。中でも社会変動という視点から捉えると、日本の高齢化は早いスピードで進んでいることが大きな特徴だという。

それを表すデータが、倍化年数という指数だ。以下の表の中で65歳以上の人口の割合が7%から14%に到達した年数を比べている。日本は65歳以上の人口の割合が7%に到達したのは1970年、1994年に14%と、24年かかって倍になった。対して例えばフランスは、7%に達したのは1864年、14%に達したのは1979年と115年かかって高齢化が進んでいる。これは高齢化という社会変動が日本では急激に起きていることを示しているデータだ。韓国、シンガポール、中国などは今後日本を上回るスピードで高齢化することが予測されている。

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高齢者がいる世帯構造の多様化

石沢さんは日本の高齢化の特徴のもう一つは高齢者がいる世帯構造の多様化だという。65歳以上が一人以上含まれている世帯についてのデータを示し、説明してくれた。

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例えば、65歳以上がいる世帯について、昭和61年は「3世代世帯」つまりおじいさんおばあさん、子供、孫という3世代の世帯が44.8%と半分近くを占めていた。それが28年後の平成26年になると、65歳以上がいる世帯の内、3世代世帯は13.2%にまで減少し、単独世帯、夫婦のみ世帯が増加。中でも興味深いのが、親と未婚の子のみの世帯が20.1%に増加しており、「未婚の子」というのは親が65歳以上ということを考えると、おそらく30代後半、40代以上だということが見込まれる。

このように、高齢者世帯が小家族になっていくと、世帯の中に稼ぎ手がいない、介護ができなくなるなどの問題を抱える世帯が増加していくという。また高齢化が進むと集落コミュニティの機能も低下してしまうという。

以上、石沢さんが紹介してくださった高齢化の現状を簡単にご紹介した。
それでは、高齢化が問題となっている地方集落の実際はどんな様子なのか、それに対し我々は何ができるのか。

次回は石沢さんがフィールドワークを行った様子を通し、上記テーマについて考えていきたい。

■writer's profile

Yuki Nakamura

Yuki Nakamura

中村 雄季

埼玉県出身。大学を卒業後都内大手デジタルマーケティングエージェンシーでWEBディレクターとして勤務。2013年、自然に寄り添ったライフスタイル・社会経済の構築を実践するため山形県庄内地方へ移住。現在農家として遊佐町で70aの砂丘畑の耕作、及びFUN MORE DESIGNとしてWEBサイト構築・編集・ライティング等に従事。  http://funmoredesign.com  Instagram

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