「文系フリーランスって食べていけるの?」2027年、自由な働き方が浸透している社会へ

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2月21日、アンダーバーでは「『コワーキングスペースを活用したフリーランサーの働き方とは』ローカルイノベーションセミナーvol.10」というダイアローグ形式のイベントを開催。「新規事業のディスカッションパートナー」を生業としている黒田悠介さんを招きました。フリーランスとして自らを実験台にしている経験を惜しみなく披露してくだいました。

黒田 悠介 氏
ブレンディッド株式会社 取締役 COO・キャリアシナリオコンサルタント・新規事業のディスカッションパートナー。日本のキャリアの多様性を高めるために自分自身を実験台にしている文系フリーランス。新しい『事業』『発想』『働き方』を生み出すことが生業。帽子とメガネがトレードマーク。東京大学→ベンチャー社員×2→起業→キャリアカウンセラー→フリーランス(ポートフォリオワーカー)→兼業COOというキャリア。スタートアップやベンチャーのディスカッションパートナーを生業とし、新規事業の立ち上げを支援。フリーランスに関する情報を発信する「文系フリーランスって食べていけるの?」というメディアを運営。
https://medium.com/@yusukekuroda

何故自分をフリーランスとしての実験台にしているの?

「子供の世代くらいには自由度の高い働き方が浸透している社会になっていたらいいなと思います。」
そう語る黒田さんはハンチング帽とめがねがトレードマーク。人と話すのは得意ではないという言葉とは裏腹に、理路整然と優しい語り口の31歳だ。

2年前の8月にフリーランスになり、「文系フリーランスって食べていけるの?」という疑問をそのままメディアとして立ち上げ、「文系」のいろいろな仕事を試している。現在メインの収入源は「新規事業のディスカッションパートナー」だ。

「新規事業のディスカッションパートナー?そんなので食っていけるわけがない」と言われたので、これはイケるなと思いました。そう言われるということは他に参入してくる人がいないということ。自分は経営者だったのでここにニーズがあることが分かっていた。決して安くない単価でも去年は20社ほどから仕事をいただけています。そういう打ち出しができた、新しい職業を作ることができたということだと思っています。 ”

黒田さんは、「働き方の多様性を高めたい」という大きな目標を持っていて、そのために自分自身を実験台にし、結果を今回のようなイベントで話したり、ブログで発信したりしているそうだ。参加者からの質問に、「生々しい話になっちゃいますが」と言いながら自分の年収や単価までも飾らずに教えてくれた。

【実験1】 案件をどう獲得するか

文系フリーランスとしていろんな実験をしてきた中で、重要ないくつかのことがわかってきたという。
まず、案件獲得のためにいろいろ試してみたそうだ。その一覧が下のスライド。

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いろいろ試した中で2つのことが分かったという。それは

1)ロートの形で、案件が絞られていくんだなと分かった
2)自由に働きたければ依存先を増やさなければいけない

ということだそうだ。

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ロートの形で、案件が絞られていく

自分がどんなことができるのか、何がやりたいのかを多くの人に知ってもらった上で、相性のいい案件を選んでいく。いきなり大きな案件を狙わずに「顧客化」の前段階に「お試し」という段階を作っておくことも大事だろう。顧客も自分自身もお試しという段階を踏むことで安心して次の段階へ進めるからだ。また「依存先を増やす」こともうなずける。一つの顧客に依存しすぎてしまうと、何かの事情でその顧客の仕事がなくなってしまった時に、何の保証もないフリーランスは困ってしまうことになる。これらはフリーランスに限らず企業にとっての営業活動でも同様かもしれない。

【実験2】 肩書を変えると働き方が変わる

黒田さんはここ1年間で6回肩書を変えたという。
これまでは「Webコンダクター」「ビジネスプロデューサー」「ビジネスデザイナー」「人間中心ビジネスデザイナー」などの肩書を使用したが、説明がめんどくさくて相手に分かってもらえなかったり、やりたいことが変わったりしたために変更してきたという。

そして実験結果からまとめた「肩書に大事な4つのこと」が以下のスライドだ。

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” 肩書を一工夫することが大事です。フォトグラファーの方で案件がなくて困っているという相談があったときがありました。フォトグラファーは山ほどいます。その方にヒアリングすると、動いている動物など「動いているものを撮るとるのがすごく好き」ということだったので、ライブフォトグラファーという肩書を提案しました。すると相手が興味を持ってくれ、案件が入るようになりました。他にも例えば子育てをしながらライターしている方なら「子育て奮闘ライター」のような肩書にするのもいいと思います。 ”

【実験3】 信頼貯蓄

黒田さんは一時的に「give&take」ではなく「give&give」にしてみたそうだ。金銭規定な報酬のことは考えず、「その人に貢献するにはどうすればいいのか」を行動していったということだ。

” その人に貢献することで信頼を得ることができます。そして実験結果として、信頼を換金せずにもっておくと人と案件を連れてきてくれることが分かりました。信頼残高でもっておくほうが利子がつき、5年10年のスパンで考えると結果的に収入の側面でもよくなるような気がします。 ”

また、報酬とは金銭的なものだけではないと黒田さんは語る。

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” 報酬には色々な種類のものがある。お金だけで考えると副業って割はよくないのです。でも自分は人に貢献することがすごく好き。役にたった実感があることはどんどんやりたい。逆に実感がないものはやりたくないです。今は自分自身の「実験」をもって「こんな働き方もあるんだよ」と多くの人に伝え、日本のキャリアの多様性を高めることができたらいいと思います。 ”
「すぐ人の役に立つ実学として心理学を専攻しましたが、もともとは物理、化学が好きな理系人間。学者肌なんです。」と話す黒田さん。当日はsli.doというサービスを使って質問を受け付けるなど、新しいものをどんどん「実験」的に使い、よいものを自分のスタイルに取り込んでいく理系な側面が随所に見られました。「やりながら考える」「やってみないと分からない」という今の時代に重要なスピード感を体得しているとはこういうことなのだなと実感しました。黒田さんの「文系フリーランスって食べていけるの?」とても面白いので是非見てみてくださいね。

■writer's profile

Yuki Nakamura

Yuki Nakamura

中村 雄季

埼玉県出身。大学を卒業後都内大手デジタルマーケティングエージェンシーでWEBディレクターとして勤務。2013年、自然に寄り添ったライフスタイル・社会経済の構築を実践するため山形県庄内地方へ移住。現在農家として遊佐町で70aの砂丘畑の耕作、及びFUN MORE DESIGNとしてWEBサイト構築・編集・ライティング等に従事。  http://funmoredesign.com  Instagram

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