【秋田県・山形県を比べてみよう】人口・経済データ、起業への取り組みレポート

2016-08-22 / by Yusuke Sasaki 
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コワーキングスペースUNDERBARコンシェルジュ佐々木です。前回のコラムで秋田県五城目町を訪問したことがきっかけで、秋田県と山形県の基本的知識や経済的現状を改めて調べてみたくなりました。そこで今回は秋田県と山形県の各種データ、及び個人的に気になる両県の起業に対する取り組みをレポートいたします。

減少していく日本の人口 約50年後(2060年)までに約30%減少

両県を比較する前提として、まずは日本全体の人口について、現状を把握しておきます。

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注:2010年度以降は、推計値で死亡中位・出生中位仮定の場合の値です。(死亡中位・出生中位仮定:平均寿命と出生率を高中低の3段階で仮定した時のそれそれ中の仮定に基づく。)

日本は人口減少期を迎え、2060年には約8600万人になります。

急速にすすむ少子高齢化

こちらは、1920年の戦前から2060年の将来にわたっての人口ピラミッドの推移を表した図です。

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ピラミッド型から、ツボ型へ変化していくのがよく分かりますし、人口全体も小さくなっていくのがわかります。うねうね気持ちいいですね(笑)。秋田県と山形県も日本全体の動向に伴い、少子高齢化と人口減少が予測されています。

ここからは、秋田県と山形県の人口と経済規模を、他の都道府県と比較しながら見ていくことにしましょう。

秋田県は約100万人、山形県は約110万人

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東北6県の人口を赤く示しました。山形県は113万人、秋田県は104万人と山形県の方がやや多いですが、あまり変わりません。東北で人口が最大の宮城は233万人でほぼ秋田県と山形県を足した人数になっています。
東京、大阪、愛知など大都市圏とその周辺県は多いです。グラフの形が直線的ではなく、指数関数的な形となっているのが面白いですね。

秋田県は3.5兆円、山形県は3.8兆円の経済規模

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意外と知らないのは県別GDP。1位は東京、その次は大阪、愛知、神奈川・・・妥当な感じがします。ちなみに、米Apple社の2015年の総売上高が約28兆1000億円だそうで、神奈川県とほぼ同じ規模。とてもすごいですね!(逆に意外にそんなもん?)県別GDPも人口と同様に、指数関数的な形になっています。自然科学においてこの指数関数的減衰は多く見られるそうです。

ところでこの県別GDPの順位、人口の大きさの順位とほぼ同じでないか?と思い、相関図を作ってみることに。

都道府県別人口と都道府県別GDPは比例している

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ドンピシャで正の相関がありました。

興味深いのが、縦軸の人口を基準に見て、東京は近似曲線の右側に、その他の大都市圏は近似曲線の左側にずれているということ。右側にずれるということは、この図の場合、人口から予想される総生産額よりも多く稼いでいるということ、左側にずれるということは、人口予想される総生産額よりも稼げていないということを意味します。

人口-総生産の相関図を世界規模で調べてみるのも興味深いかもしれませんね。

起業家の割合は働いている人の4~6%

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UNDERBARでは起業家養成をミッションの1つに掲げています。さて、その起業家は一体どのくらいの割合でいるのでしょうか?上図で示す通り、働いている人の4~6%いることが分かります。自営業も含んでいるので、本格的な起業家の割合はもっと少ないのでしょう。面白いのは、トップが東京ではなく、宮崎県で、沖縄、鹿児島、高知、熊本など九州地方が上位に並んでいることです。

次に、秋田県と山形県の2県にフォーカスを絞って、特徴を比較してみます。

秋田と山形の特徴比較

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簡単な比較表を作ってみました。佐々木個人で作ったものなので、あれが抜けている、これが入っている(笑)、などツッコミはあると思いますが大目に見てください。
両県とも自然豊かで、自然が観光名所になっているのは言うまでもありません。全国的に有名なイベントは、秋田は大曲の花火大会、山形は花笠祭りでしょうか。秋田・山形出身有名人も面白いですね。あの人がここ出身なんだ!という驚きが少なからずあります。「秋田の子供の学力日本一」「山形のラーメン好き日本一」は皆さんも聞いたことがあるかもしれません。

観光客は山形県が秋田県の倍!?

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にわかには信じられませんが、観光庁のデータによると、H26年の観光客数は山形県が秋田県の倍近くとのこと。
新幹線が日本海側の秋田市まで伸びている関係で、秋田の方が観光客が多いイメージを持っていたので結果に驚いています。JRとのコラボレーションで『山形デスティネーションキャンペーン』を昨年度展開したことも影響しているかもしれません。

1次産業は3~4%、これでも日本の農業を支えている

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秋田県、山形県のH25年の総生産額はそれぞれ3兆4800億円、3兆8300億円。農業県のイメージが強い秋田県、山形県ですが、1次産業が占める割合はたったの3~4%しかありません。ただし、食品加工は2次産業に分類されるそうなので、ここでいう1次産業は純粋な農業、漁業、林業という事になります。また、肥料購入、生産した農産物・魚介類などの輸送、トラクターやビニールハウスなどの設備投資は1次産業の数字に反映されていません。1次産業が3~4%だからと言って過小評価せず、それから波及する2次産業、3次産業もあることを忘れてはなりませんね。

また山形県は秋田県に比べ、第2次産業の割合が高いのも特徴です。以下に示す一人当たり雇用者報酬が高いのも、これが原因かもしれません。

秋田県の雇用者報酬は約350万、山形県は約400万円

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雇用者報酬とは、ざっくり言うと、県民に支払われた給料の総額で、一人当たり雇用者報酬とはそれを働いている人の数で割ったものです。山形県は秋田県よりも労働者が稼げていることが分かります。

ここまでは、データを中心に、日本や秋田県・山形県を見てきました。自分達が暮らす地域を今後どのようにしていきたいのか、それを考える上で客観的データを知っていることは大事なことだと思います。

最後に私、佐々木が個人的に気になった秋田県・山形県の起業に対する取り組みを紹介します。

秋田県はドチャベンが熱い!

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秋田県では「ドチャベン」という県主催の「田舎発、事業創出プログラム」があります。これは約半年間、ローカルビジネススクールでの勉強会、ビジネスプランコンテスト、メンター・施設のマッチング支援を経て起業を本気で支援するプログラムです。秋田県を挙げて本格的な起業支援に取り組んでおり、年々注目度が増しています。

山形県は日本西海岸計画に注目!

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UNDERBARのある、山形県の海側の庄内地方では日本西海岸計画という、起業文化・新産業創出を目指した有志の集まりがあります。

これまで日本西海岸計画では、
・ プログラミング教室 => WEST COAST ACADEMY
・3日間の起業体験イベント => Startup Weekend 山形
・酒田市短期移住プログラム => ABEBA
・酒田市移住者向けゲストハウス => ショウナイベース
・地域で働く生きがいを伝えるトークライブ => モシエノ大学
・酒田市唯一のコワーキングスペース => UNDERBAR
などなど、たくさんのプロジェクトを実現させてきました。今後の動きも注目です。

終わりに

秋田・山形に縁のない方から見たら秋田と山形の違いなんて、ほとんどない変わらないかもしれませんが、住んでいる当事者からすると全然違います。

その土地の空気
変わらないもの
良くも悪くも昔から続く人間の文化、習慣
何かがくすぶっているモヤモヤ感

など、現実が体にしみて感じられます。

自分が価値を注げるものを見極め、
情熱を共有出来る仲間を集め、
自分とは異なる意見の人の声を謙虚に聞き、
小さいけれど、一歩一歩動き続けること。

そんな学びがあった今回の秋田への旅でした。

読んで下さったみなさんの好奇心が少しでも揺さぶられれば、これ以上嬉しいことはありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
残り少ない素敵な夏をお過ごしください。

UNDERBARコンシェルジュ 佐々木

■writer's profile

Yusuke Sasaki

Yusuke Sasaki

佐々木 勇輔

山形県遊佐町出身。高校卒業後、上京し大学で物理学を学ぶ。その後、東京・埼玉の家電量販店でスマートフォン販売の仕事をした後、帰省。教育でプロジェクトを立ち上げるために酒田で塾講師を2年経験。資金をため、将来は起業を考えている。

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